【モンタージュ理論/クレショフ効果】


【モンタージュ理論とクレショフ効果】

■モンタージュ理論

モンタージュ理論」とは、複数の映像をつなぎ合わせることによって、後ろの映像が前の映像の影響を受けて、別の新しい意味を持つという理論です。

「戦艦ポチョムキン」(1925年 セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督 ソ連)という映画の「オデッサの階段」が有名です。

これは反発する民衆を軍隊が威嚇・攻撃する場面ですが、直接攻撃の映像はなく、「鉄砲を持った軍隊」「発砲する軍隊」「大きな階段を駆け降りる大勢の民衆」「倒れる民衆」「階段を落ちていく乳母車」などが交互に映し出されることで「軍隊に追われた民衆が逃げ惑う阿鼻叫喚の状況」を表現しています。

Wikipedia 戦艦ポチョムキン ページより「オデッサの階段」シーン

Youtube 戦艦ポチョムキン(日本語字幕+活弁字幕)→https://youtu.be/AyBaMzBjr0c

Youtube オデッサの階段部分の抜き出し画像→ The ‘Odessa Steps’ Battleship Potemkin


■クレショフ効果

クレショフ効果とは、「同じ映像でも、前後の映像が変化することによって、違う解釈になる」という、レフ・クレショフ氏が提唱した映像の効果のことです。

観客に「無表情の俳優」の映像の前にそれぞれ「スープ皿」「棺の中の遺体」「ソファに横たわる女性」のを編集した映像3種を順番に見せます。その後、「無表情の俳優」が表している「感情」は何かを観客に聞いたところ、それぞれ下記のようになりました。

スープ皿      → 無表情の人 ⇒空腹
棺の中の遺体    → 無表情の人 ⇒悲しみ
ソファに横たわる女性→ 無表情の人 ⇒欲望

クレショフ効果 実験に使用された映像
Youtube Эффект Кулешова / The Kuleshov Effect → https://youtu.be/ZwMRtWNEQRo

このように、カットのつながり方によって視聴者の感じる印象が変わります。クレショフ効果を利用すれば、直接的な表現をしなくても視聴者の感情を向けることができます。

CMでよく見かけるこういう演出もクレショフ効果を利用しています。花畑の後に商品を見せることで、「さわやかな商品だ」というバイアスがかかっています。

映像制作コストや制作時間が足りない時などに、この効果を利用して印象操作で乗り切る事もできます。


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